【2020年】プロ野球ドラフト会議の評価|勝ち組と負け組はどこ?【採点】

2020年プロ野球ドラフト評価

プロ野球ファンなら気になる2020年ドラフト会議。各球団の来年以降の戦力に大きな影響を及ぼします。

どの球団が勝ち組でどの球団が負け組だったか?野球ファンは気になるところです。

今年は近畿大学の佐藤輝明内野手や早稲田大学の早川隆久投手など、去年とは一転、大学生に有力候補が集まりました。

目玉を獲得できるかどうかが、ドラフトの勝者・敗者の分かれ目ともいえるでしょう。

もちろん、ドラフトの勝ち負けなんて10年以上のスパンで見ないと評価なんてできませんが、現時点での評価が数年度どう反映されるかも比較すると面白いですよね。

この記事では、2020年ドラフト会議の結果を評価し、勝ち組と負け組はどこかまとめました。

選手の評価の目安は以下の通り。キリがないので育成選手は省略しています。

  • S…この年No.1評価、競合必至クラス
  • A…1位指名、競合クラス
  • B…外れ1位~上位指名クラス
  • C…中位指名クラス
  • D…下位・ギャンブル指名クラス

それでは、各球団ごとにドラフト結果・評価をみていきましょう!

2020年ドラフトの結果

早速、2020年ドラフト結果をまとめます。

表は指名順に表記しています。2位指名からはオリックス→巨人、3位指名は巨人→オリックスの順番です。

本指名ドラフト

順位巨人ソフトバンク中日ロッテ阪神西武DeNA楽天広島日本ハムヤクルトオリックス
1×佐藤輝明
平内龍太(投)
×佐藤輝明
井上朋也(内)
高橋宏斗(投)×早川隆久
鈴木昭汰(投)
佐藤輝明(内)×早川隆久
渡部健人(内)
入江大生(投)早川隆久(投)栗林良吏(投)伊藤大海(投)×早川隆久
×鈴木昭汰
木澤尚文(投)
×佐藤輝明
山下舜平大(投)
2山崎伊織(投)笹川吉康(外)森博人(投)中森俊介(投)伊藤将司(投)佐々木健(投)牧秀悟(内)高田孝一(投)森浦大輔(投)五十幡亮汰(外)山野太一(投)元謙太(外)
3中山礼都(内)牧原巧汰(捕)土田龍空(内)小川龍成(内)佐藤蓮(投)山村崇嘉(内)松本隆之介(投)藤井聖(投)大道温貴(投)古川裕大(捕)内山壮真(捕)来田涼斗(外)
4伊藤優輔(投)川原田純平(投)福島章太(投)河村説人(投)榮枝裕貴(捕)若林楽人(外)小深田大地(内)内間拓馬(投)小林樹斗(投)細川凌平(外)元山飛優(内)中川颯(投)
5秋広優人(投)田上奏大(投)加藤翼(投)西川僚祐(外)村上頌樹(投)大曲錬(投)池谷蒼大(投)入江大樹(内)行木俊(投)根本悠楓(投)並木秀尊(外)中川拓真(捕)
6山本一輝(投)三好大倫(外)中野拓夢(内)ブランドン大河(内)高田琢登(投)内星龍(投)矢野雅哉(内)今川優馬(外)嘉手苅浩太(投)阿部翔太(投)
7萩原哲(捕)高寺望夢(内)仲三河優太(外)
8石井大智(投)

育成ドラフト

順位巨人ソフトバンク中日ロッテ阪神西武DeNA楽天広島日本ハムヤクルトオリックス
1岡本大翔(内)佐藤宏樹(投)近藤廉(投)谷川唯人(捕)岩田将貴(投)赤上優人(投)石川達也(投)石田駿(投)二俣翔一(捕)松本遼大(投)下慎之介(投)川瀬堅斗(投)
2喜多隆介(捕)中道佑哉(捕)上田洸太朗(投)小沼健太(投)長谷川信哉(外)加藤大(投)齊藤伸治(投)赤羽由紘(内)辻垣高良(投)
3笠島尚樹(投)桑原秀侍(投)松木平優太(投)山本大斗(外)宮本ジョセフ拳(外)松井聖(捕)宇田川優希(投)
4木下幹也(投)早真之介(外)佐藤奨真(投)豆田泰志(外)丸山翔大(投)釣寿生(捕)
5前田研輝(捕)緒方理貢(内)水上由伸(投)佐野如一(外)
6坂本勇人(捕)居谷匠真(捕)古長拓(内)
7戸田懐生(投)大城真乃(投)
8阿部剣友(投)中村亮太(投)
9奈良木陸(投)
10山崎友輔(投)
11保科広一(外)
12加藤廉(内)

読売ジャイアンツ

巨人のドラフト結果

順位選手名守備評価
1位平内龍太(亜細亜大)B
2位山崎伊織(東海大)B
3位中山礼都(中京大中京高)C
4位伊藤優輔(三菱パワー)C
5位秋広優人(二松学舎大付高)D
6位山本一輝(中京大)D
7位萩原哲(創価大)D

巨人のドラフト評価

評価:

セ・リーグを独走し、戦力も充実している巨人。

佐藤を外したかったのは痛がったが、菅野が抜けるかもしれない投手陣に平内が加入。3位には、ポスト坂本を意識できる中山の獲得に成功。

若手外野手や次世代の長距離砲が獲得できればよかったですが、外部からいくらでも補強できる環境なので大きなマイナスでもありません。

若手捕手が不足しているところには、育成で補充。育成は大量12名を指名しており、この中から1人~3人でもモノになればという感じ。岡本や笠島、木下は可能性があるかもしれません。

2位の山崎は手術明けということもあり、どこまで戦力になるのかが未知数。彼の働き次第で、このドラフトの評価も変わりそうです。

中日ドラゴンズ

中日のドラフト結果

順位選手名守備評価
1位高橋宏斗(中京大中京高)A
2位森博人(日本体育大)B
3位土田龍空(近江高)C
4位福島章太(倉敷工高)C
5位加藤翼(帝京大可児高)C
6位三好大倫(JFE西日本)D

中日のドラフト評価

評価:

高校生No.1投手の高橋の単独指名に成功。2位でも森を獲得でき、上位は大成功と言ってもよいでしょう。

土田も、有望な若手内野手に続ける選手。福島・加藤も戦力に食い込んできそうな投手であり、若手投手の底上げに成功しました。

有望な若手が揃いつつあり、将来楽しみな球団となっています。昨年に続き、高評価のドラフトとなりました。

阪神タイガース

阪神のドラフト結果

順位選手名守備評価
1位佐藤輝明(近畿大)A
2位伊藤将司(JR東日本)B
3位佐藤蓮(上武大)C
4位榮枝裕貴(立命館大)C
5位村上頌樹(東洋大)C
6位中野拓夢(三菱自動車岡崎)D
7位高寺望夢(上田西)C
8位石井大智(四国IL高知)C

阪神のドラフト評価

評価:

競合で見事佐藤輝明を獲得。2位で即戦力になりうる左腕の伊藤を獲得できたのも大きいです。

若手捕手が不足しているところに榮枝も獲得でき、中位以降は全体の戦力が底上げされている印象。

数を取ったからといって成功というわけではありませんが、将来楽しみな選手も揃っており、高評価としています。

横浜DeNAベイスターズ

DeNAのドラフト結果

順位選手名守備評価
1位入江大生(明治大)B
2位牧秀悟(中央大)B
3位松本隆之介(横浜高)C
4位小深田大地(履正社高)C
5位池谷蒼大(ヤマハ)D
6位高田琢登(静岡商高)C

DeNAのドラフト評価

評価:

最近のドラフト傾向よろしく、入江の単独指名。続いて、よく残っていたというべき牧の獲得に成功。

やや弱い捕手の指名がなかったのは気になりますが、将来有望な高校生・松本や小深田を獲得できたのも評価できるポイント。

6位の高田は、順位の割に大化けしそうなタイプで、こちらも将来楽しみです。成功といっていい良い指名だったといえるでしょう。

広島東洋カープ

広島のドラフト結果

順位選手名守備評価
1位栗林良吏(トヨタ自動車)A
2位森浦大輔(天理大)B
3位大道温貴(八戸学院大)B
4位小林樹斗(智弁和歌山高)C
5位行木俊(四国IL徳島)C
6位矢野雅哉(亜細亜大)C

広島のドラフト評価

評価:

栗林の単独指名に成功し、以降は5位まですべて投手の指名。投手陣が崩壊し、Bクラスになったことを考えると、即戦力投手を中心に獲得したドラフトは納得いく形です。

育成でも、支配下になる可能性が高い二俣を獲得できました。

ただ、充実しつつある若手内野陣に比べて、不安のある外野手が獲得できなかったのはマイナスポイント。

それでも、指名できた面子は評価でき、成功の部類に入るといっても良いでしょう。

東京ヤクルトスワローズ

ヤクルトのドラフト結果

順位選手名守備評価
1位木澤尚文(慶應義塾大)B
2位山野太一(東北福祉大)B
3位内山壮真(星陵高)C
4位元山飛優(東北福祉大)C
5位並木秀尊(獨協大)C
6位嘉手苅浩太(日本航空石川高)C

ヤクルトのドラフト評価

評価:

立て続けにくじを外し、最終的に木澤を指名。2位に左腕の山野、3位で捕手の内山と、まんべんなく弱い部分を補強した印象です。

特に、小川に続く先発が薄いところに木澤・山野を指名した点は評価できるポイント。この2人が働けば、外れ外れから一転、大成功ドラフトといって良い出来となります。

次世代捕手の内山、ショートの元山と期待できる選手も獲得できており、評価できるドラフトとなりました。

福岡ソフトバンクホークス

ソフトバンクのドラフト結果

順位選手名守備評価
1位井上朋也(花咲徳栄高)B
2位笹川吉康(横浜商)C
3位牧原巧汰(日大藤沢高)C
4位川原田純平(青森山田高)C
5位田上奏大(履正社高)D

ソフトバンクのドラフト評価

評価:

ファンの大半は牧を推していましたが、佐藤をくじで外し、代わりに指名したのが高校生の井上。

2位以降でも取れた可能性はありますが、ウェーバー順で残る可能性を考え指名したのでしょう。次世代の野手が育ちきっていない中、佐藤を取れなかったのはやはり痛かったと見るべき。

井上も戦力に加わってくる可能性は十分にありますが、2位以降を見ても、モノになるかどうかフタを開けてみないとわからない選手が多い印象です。

戦力が充実しているソフトバンクだからこその割り切った指名かもしれませんが、二遊間はこのままで良いのか?という疑問は残ります。

それでも、育成では桑原や早といった面白そうな素材が取れており、数年後に育成も含めてトータルでみたとき、成功だったと言われるドラフトになる可能性は十分あります。

千葉ロッテマリーンズ

ロッテのドラフト結果

順位選手名守備評価
1位鈴木昭汰(法政大)B
2位中森俊介(明石商高)B
3位小川龍成(国学院大)C
4位河村説人(星槎道都大)C
5位西川僚祐(東海大相模高)C

ロッテのドラフト評価

評価:

早川を競合で外しはしましたが、左腕の鈴木の競合に成功。

2位でも将来楽しみな中森が獲得でき、これまで上位で野手を獲得してきている分、良い若手投手が加入しました。

それでも、全体的に指名も少なく、ややパンチに欠ける内容。

これまでも楽しみな若手を獲得してきている事情もありますが、良くも悪くもロッテらしい形に終わりそうな印象も受けます。

埼玉西武ライオンズ

西武のドラフト結果

順位選手名守備評価
1位渡部健人(桐蔭横浜大)B
2位佐々木健(NTT東日本)C
3位山村崇嘉(東海大相模高)C
4位若林楽人(駒澤大)C
5位大曲錬(福岡大)C
6位ブランドン大河(東農大北海道)C
7位仲三河優太(大阪桐蔭高)C

西武のドラフト評価

評価:

選手層的に早川を獲得しておきたかったですが失敗。代わりに、ポスト中村が期待できる渡部の指名に成功しました。

西武は数年にわたる独自路線のせいか、次の野手がなかなか出てきていません。

ファームの面子も弱い中、粒ぞろいの選手を指名してきたな、という印象。正直彼らがどこまでモノになるかは未知数ですが、そうなったとき戦力の底上げは十分されると期待できます。

育成でも、支配下の可能性が期待できる赤上や豆田といった選手を獲得しており、育成に本気で取り組もうとしている姿勢が伝わる指名でした。

それでも、蓋を開けてみなければ、という選手が多く、この中から2人か3人出てくれば、という感じでしょうか。

東北楽天ゴールデンイーグルス

楽天のドラフト結果

順位選手名守備評価
1位早川隆久(早稲田大)A
2位高田孝一(法政大)B
3位藤井聖(ENEOS)B
4位内間拓馬(亜細亜大)D
5位入江大樹(仙台育英高)C
6位内星龍(履正社高)C

楽天のドラフト評価

評価:

競合した早川の獲得に成功した楽天。2位高田、3位藤井と来年の1軍戦力に絡んできそうな好投手を獲得できており、ここだけでも十分成功です。

4位以降でも、将来楽しみな入江や内、さらに育成ではこれまた支配下が期待できそうな石田の獲得に成功。

ストーブリーグの勝者から一転、Bクラスになるかどうかで競っている状況ではありますが、来年以降期待できる面子が揃った好指名といえるでしょう。

北海道日本ハムファイターズ

日本ハムのドラフト結果

順位選手名守備評価
1位伊藤大海(苫小牧駒大)A
2位五十幡亮汰(中央大)B
3位古川裕大(上武大)B
4位細川凌平(智弁和歌山高)C
5位根本悠楓(苫小牧中央高)C
6位今川優馬(JFE東日本)C

日本ハムのドラフト評価

評価:

地元北海道出身・伊藤の単独指名に成功した日本ハム。これまでは「その年のNo.1選手」の指名方針で来ていましたが、今年はやや方針が変わったように見受けられます。

優勝した2016年以降、Bクラスが3度という状況もあり、それだけ危機感を感じるドラフトだったように思えます。

2位で西川がメジャー挑戦した場合を想定し五十幡を指名。3位でも、伸び悩みが目立つ捕手陣にディフェンスがしっかりした古川の獲得に成功しました。

4位以降も将来が楽しみな選手が加入しており、非常にバランスの良い結果となっています。

清宮以降、なかなか好選手を指名できていない状況が続いていましたが、それを挽回した成功ドラフトだったのではないでしょうか。

オリックス・バファローズ

オリックスのドラフト結果

順位選手名守備評価
1位山下舜平大(福岡大大濠高)B
2位元謙太(中京学院大中京高)B
3位来田涼斗(明石商業)B
4位中川颯(立教大)C
5位中川拓真(豊橋中央高)C
6位阿部翔太(日本生命)D

オリックスのドラフト評価

評価:

低迷しているオリックスですが、投手や内野手には将来楽しみな若手が揃っています。

今年も佐藤こそ外したものの、将来有望の山下の獲得に成功。2位・3位と外野手が続き、かなり割り切った指名でした。

確かに現状、吉田に続く外野手を輩出できておらず、指名の意図は十分伝わります。2位の元は内野手を守れる可能性もあり、必ずしも外野専念というわけではないでしょう。

大砲候補の来田の獲得にも成功。育成では、支配下の可能性も高い川瀬や宇田川、釣を指名。

来年どうにかなるという指名ではありませんでしたが、今いる若手選手も含め、いずれは上位争いしている可能性は十分高いです。

2020年ドラフトの勝ち組・負け組はどこ?

2020年ドラフト勝ち組

  • 中日ドラゴンズ:A
  • 阪神タイガース:A
  • 東北楽天ゴールデンイーグルス:A
  • 北海道日本ハムファイターズ:A
  • 広島東洋カープ:B

2020年ドラフト普通組

  • 横浜DeNAベイスターズ:C+
  • オリックス・バファローズ:C+
  • 読売ジャイアンツ:C
  • 東京ヤクルトスワローズ:C
  • 埼玉西武ライオンズ:C

2020年ドラフト負け組

  • 千葉ロッテマリーンズ:D
  • 福岡ソフトバンクホークス:D

2020年ドラフト結果・評価まとめ

今年もセ・リーグのチームが上手くドラフト指名に成功した印象でした。特に、阪神や中日はここ数年好指名が続いており、それが今の順位にも現れています。

今年獲得した選手含め、彼らが戦力になる頃には、この2球団で優勝争いをする未来も遠くはないでしょう。

パ・リーグはやや上手く運べなかった印象が残りましたが、楽天や日本ハムは高評価の指名でした。

ソフトバンクは上手くいかないドラフトが多いですが、中位以降の指名や育成で挽回している印象。それがどこまで続くのかは見ものです。

来年、これらの選手がどう順位争いに影響してくるか、楽しみですね!