【ドラフト採点】2015年ドラフトを評価する パ・リーグ編

2015年のドラフト会議、各球団の指名はどのようなものだったか?もちろん、ドラフトは、長期スパンで見なければ勝ち組か負け組かなど評価はできないが、現時点での評価が数年後どのように反映されるかも面白い。そこで、15年のドラフト結果をランク付けしたいと思う。各選手は、S~Eランクで、評価付けをしている。

画像引用元:http://www.nikkansports.com/baseball/news/1556893.html

ソフトバンク

1位…高橋純平(県岐阜商高)投手:A
2位…小沢怜史(日大三島高)投手:B
3位…谷河原健太(豊橋中央高)捕手:D
4位…茶谷健太(帝京三高)投手:E
5位…黒瀬健太(初芝橋本高)捕手:E
6位…川瀬晃(大分商高)内野:E
育成1位…野沢佑斗(つくば秀英高)投手:D
育成2位…児玉龍也(神奈川大)投手:E
育成3位…樋越優一(東農大北海道)捕手:E
育成4位…中村晨(ルーテル学院高)投手:E
育成5位…渡辺健史(飯塚高)投手:E

独走優勝の選手層の余裕からか、本指名は全て高校生。1位で3球団競合した高橋純平をはじめ、3人が投手。4位の茶谷は、野手評価も高く、コンバートもあるかもしれない。5位の黒瀬も、一塁辺りにコンバートされるだろう。1位の高橋こそ良いものの、あとのメンツはどうだろうか。現状、ソフトバンクは捕手陣が高谷・細川の次に若いのが23歳の斐紹・拓也という構造。その2人も1軍の戦力になるにはまだ遠く、中日3位指名の木下辺りを指名しても良かった気がする。3位は中日より先に回ってくるので尚更。また、リリーフ陣も五十嵐やサファテが高齢という事情もあり、大卒や社会人の即戦力を1人くらい指名してもよかったのではと感じてしまう。

全体評価:

日本ハム

×高橋純平
×小笠原慎之介
1位…上原健太(明治大)投手:A
2位…加藤貴之(新日鉄住金かずさ)投手:B
3位…井口和朋(東農大北海道)投手:C
4位…平沼翔太(敦賀気比高)内野:C
5位…田中豊樹(日本文理大)投手:C
6位…横尾俊建(慶応大)内野:D
7位…吉田侑樹(東海大)投手:C
8位…姫野優也(大阪偕星学園高)外野:E

1位の上原は、怪我の状態さえ問題なければローテ入りが期待できる投手。2位の加藤も、即戦力が期待できる。3位の井口、5位田中、7位吉田も、リリーフならある程度期待が持てる面子。平沼は次世代の大型野手として、横尾は、手薄なサードが守れる長距離砲として獲得。8位の姫野は日ハムらしい指名だが、育成枠的な位置づけ。現状外野は人材が豊富なので、投手を中心に手薄な内野を補強した。バランス良い指名ができており、くじを2回外したものの、全体としては上手く行ったのではないだろうか。

全体評価:

ロッテ

1位…平沢大河(仙台育英高)内野:B
2位…関谷亮太(JR東日本)投手:B
3位…成田翔(秋田商高)投手:D
4位…東條大樹(JR東日本)投手:C
5位…原嵩(専大松戸高)投手:C
6位…信楽晃史(宮崎梅田学園)投手:E
7位…高野圭佑(JR西日本)投手:D
育成1位…大木貴将(四国IL香川)内野:D
育成2位…柿沼友哉(日大国際関係学部)捕手:E

1位の平沢以降は全て投手。平沢は、さすがに1年目レギュラー格とまでは言わないまでも、割と早く1軍戦力に食い込みそうな選手。関谷は1年目からローテ入りが期待できる。4位の東條はリリーフかなという印象。3位の成田、5位の原はじっくり2軍で鍛えたいが、成田は結構時間がかかりそうな気もする。6位の信楽と7位の高野も1年目からバリバリできるかと言われるとそうでもなく、1人、2人くらいはロッテの手薄な内野陣を指名してもよかったのでは?と思う。確かに、20代前半で1軍で戦力となっているのが西野のみで、それ以降の若手が2軍を見ても不足している状況ではあるので、わからなくはない指名ではあるが。

全体評価:

西武

1位…多和田真三郎(富士大)投手:A
2位…川越誠司(北海学園大)外野:C
3位…野田昇吾(西濃運輸)投手:D
4位…大滝愛斗(花咲徳栄高)外野:D
5位…南川忠亮(JR四国)投手:D
6位…本田圭佑(東北学院大)投手:E
7位…呉念庭(第一工大)内野:D
8位…国場翼(第一工大)投手:E
9位…柿沼友哉(弘前工高)投手:D
10位…柿沼友哉(四国IL香川)投手:E

1位の多和田は、ケガの状態さえ良ければ新人王筆頭候補。しかし、2位以降が西武の独自指名すぎて、なんともいえない面子。どの選手も、1軍の戦力になるまで数年かかる印象が強い。手薄な外野を補強する意味合いで、川越と大滝の指名はわかるが、Aクラスを狙うチームとしては、面子が微妙と言わざるをえない。

全体評価:

オリックス

1位…吉田正尚(青山学院大)外野:B
2位…近藤大亮(パナソニック)投手:B
3位…大城滉二(立教大)内野:B
4位…青山大紀(トヨタ自動車)投手:C
5位…吉田凌(東海大相模高)投手:D
6位…佐藤世那(仙台育英高)投手:B
7位…鈴木昂平(三菱重工名古屋)内野:D
8位…角屋龍太(ジェイプロジェクト)投手:D
9位…赤間謙(鷺宮製作所)投手:E
10位…杉本裕太郎(JR西日本)外野:E
育成1位…塚田貴之(白鴎大)投手:E
育成2位…赤松幸輔(四国IL香川)捕手:E

2014年は最後まで優勝争いをするも、15年は怪我人多発で5位に沈んだオリックス。選手層の薄さが問題で、育成を含めると大量の12人を獲得。投手が中心ではあるが、内外野バランスのとれた指名をしている。3位の大城や7位の鈴木は、二遊間として即戦力になりえることができ、ショートの安達に何かあった時のバックアップとしても期待できる。手薄な外野に1位の吉田を加えられた点も大きい。2位の近藤は、1年目からローテーションに入る力を持っている。4位の青山・8位の角屋辺りはリリーフとして食い込みたい。佐藤世那はフォームの不安から回評価となったが、持っている力を考えると、早めに出てきてもおかしくない。全体としては、現状の弱点を踏まえた良いドラフトではないだろうか。

全体評価:

楽天

×平沢大河
1位…オコエ瑠偉(関東第一高)外野:B
2位…吉持亮汰(大阪商大)内野:B
3位…茂木栄五郎(早稲田大)内野:B
4位…堀内謙伍(静岡高)捕手:C
5位…石橋良太(ホンダ)投手:D
6位…足立祐一(パナソニック)捕手:D
7位…村林一輝(大塚高)内野:E
育成1位…出口匠(津田学園高)内野:E
育成2位…山田大樹(菰野高)内野:E

これまでの投手中心ドラフトから一転、野手中心ドラフトへ移行。相思相愛だった平沢の指名を外したことは痛いが、センターラインを中心に補強。センター候補のオコエ、二遊間守れる吉持の獲得は大きい。3位の茂木も、長距離不足の楽天にとって、戦力になりうる指名。4位の堀内、7位の村林も、嶋のバックアップがほぼいないことを考えると、良い指名。堀内は、将来の正捕手候補でもある。平沢をのがしたことでプラン変更となってしまい、地元の熊原を獲得できなかったことは痛かった。かなり割りきった指名だが、チームの弱点を補う良いドラフトだったといえるのではないだろうか。

全体評価:

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